「書評」大石圭「百二十歳の少女」を読んで


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「書評」大石圭「百二十歳の少女」

読者のみなさま、こんにちは。お元気ですか?
さて、8月25日に角川ホラー文庫から「百二十歳の少女 古美術商・柊ニーナ」が発売されました。
ジプシーの血を引く美しくて、魅力的な混血の美術商、柊ニーナ(ひいらぎ・にーな・30歳)は、買い出しに行ったパリの骨董品店で素晴らしいアンティーク・ビスクドールと出会い、一目惚れして手に入れます。けれど、その大きなビスクドール「ブリュ・ジュン」は、所有者となった人を次々と自殺に追い込んでいく呪われた人形だったのです。
物語の舞台の半分は東京ですが、あとの半分はパリの街です。エキゾティックな香りのするホラーサスペンスに仕上がったと自負しております。
幸いなことに、読者のみなさまにも好評で、「近年の最高傑作」と言ってくれた方もいました。まだ読んでいないという方、ぜひ、手に取ってください。うまくいけば、柊ニーナを主人公にしたこの物語は、シリーズ化も考えております。
僕は現在、光文社文庫の新作の執筆をしています。こちらも「シリーズ第一弾」というイメージで書いています。美しい奴隷商人の女、「許サラサ(仮名)」を主人公とした少しエロティックなホラーサスペンスです。
かつて書いた「女奴隷は夢を見ない」とはまったく別の物語ですが、前作よりよいものにすべく、日々、頑張っております。ご期待ください。
大石圭
大石圭公式HPより

先に大石圭氏の言葉を引用するのには一つ訳がありまして、僕は氏の作品が好きで良く読んでいました。
「飼育する男」「甘い鞭」「湘南人肉医」「きれいな方とよばれたい」など、様々な大石氏の作品を読んだ中で、このようなことを言いたくは無かったのですが、今回の作品に関して僕は不完全燃焼なのです。近年最高傑作とはどういうことなのか?疑問を持たざるを得ないのですね。

続編を意識した為かラストは大石作品らしからぬ、あまりにも美しすぎる終幕。





僕にとって氏を語るには欠かせない部分があります。


  • 主人公もしくは主人公の周りや被害者、加害者は必ずと言っていいほど「ハッ」とするほどの美しい顔立ちと体型をしていること。
  • お金に困らない生活や社会的にも地位の高い職業であること。
  • タブーや踏み込み難い一線を軽く越える好奇心と思考力を持つ。
  • 朝食はカリカリに焼いたベーコン、夕食はお酒を好んで飲む。
  • そして、性描写は激しく、男性本位のものが多い。


と挙げ続けるとキリがないのでこの辺で。

さて、大石氏の作品群の中で僕がどうして、「百二十歳の少女」だけが不完全燃焼かと言えば、いつも提供してくれる上記はしっかりと描写しているのですが、大事な部分が足り無いからだと考えています。

その大事な部分とは「人の狂気」


今まで主人公たちやその周辺が抱いていた狂気が近作においてあまりにも足りず、淡々と読めてしまうわけです。

どういった気持ちで殺意を抱くのか?
どうして、害を為そうとするのか?

小さなこと、大きなこと、それぞれがそれぞれのモノサシで計り、もしくは気まぐれに
、計画的に遂行されるのに対して人形の怨念だけでは、いやもう少し言えば主人公のニーナとの共通の過去があったにせよ、どうもしっくりこないわけです。

狂気が足りない。

もちろん、その他の描写はいつも僕をフランスに連れて行ってくれたし、東京の豪雨を経験させてくれたし、幼女嗜好な男性にもしてくれた(作品を読んでいる間ですが)。

そういった意味合いで言えば非常に読みやすく、オカルティックでありながらどこか日本でも馴染み深いお話であることは間違いないわけです。(お人形には魂が宿るという考えから)

大石圭を語る上でもう一つ大事なことがあります。それは「美しさ」について、

それは美貌であり、景色であり、情緒であり、空間。

作品の全てにおいて、彼はどれほど殺風景な地価の牢獄であろうと一つ美しいモノを意識させる。

主人公のニーナは整形外科医に訊ねるシーンが印象的ですね。

どうして整形外科医を選んだのか?という質問に対して医者はこう言ったのです。

「女性を綺麗にするためです」と

大石氏は整形外科医でも産婦人科医でも、莫大な資産を受け継いだダメな男でも、それぞれになれること、そして、女性に対して全力で綺麗で居てもらおうとする男であること。

美しさの頂点に位置するであろう、「永遠の美」

大石氏が宿したビスクドール「ブリュ・ジュン」はその結晶なのでしょう。

だがしかし、僕は最後につまらぬことを言ってしまう男です。

これは僕の感想であり、戯言ですが、ラストに関して言えば彼は死ぬべきだったと考えています。

口が悪い割にかわいい彼は大石氏の巧みな文字の中で少女を模したビスクドールと戯れていれば、僕はこのような氏を貶めるような事は書かなかったと考えています。



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